「心を平らにし、気を和にす。これ身を養い、徳を養うの工夫」「養生の術を学んで、よくわが身をたもつべし。是人生第一の大事なり」。江戸時代の本草学者であり、儒学者の貝原益軒が著した「養生訓」の中の言葉だ▼平穏な心で過ごせば健康につながり、健康は何ものにも代えがたい。今日から7月。蒸し暑さの次には、いよいよ夏本番の猛暑の日々が…。養生訓にも「夏は最も養生しなければならない季節」として、健康への留意を促している▼夏の疲れは概ね自律神経の不調で起こる。倦怠感や胃腸の働きの低下からくる食欲減退などがそうだ。さらに冷たいものの摂り過ぎ、睡眠不足、冷房の効いた室内と外との温度差が疲労に追い討ちをかける▼どうも、人の体は温めておいた方が調子がいい。かのきんさんぎんさんも毎日お湯を飲んで長生きしたという。熱を発散させることも必要だろうが、基本は体を冷やさず、季節に順応させることが〝健康の秘訣〟か。