先月、サイパンを初めて訪れた。ヤシの木が並ぶ美しいビーチ。そこから広がるコバルトブルーのサンゴ礁の海はまさしく「癒やし」そのものだ▼日本から3時間半ほどで行ける気軽さも手伝って、ハワイ、グアムと並び、毎年多くの観光客でにぎわうところだ▼しかし、その美しいビーチには、太平洋戦争時の戦闘機の残骸が今でも横たわり、ゴルフ場の一角には旧日本軍のトーチカが残されている。そこが太平洋戦争の激戦地で、多くの民間人を含む日本人が犠牲になった場所だと認識させられる瞬間だ。戦争はいけないと、あえて残しているのだろう▼日本では、憲法9条の解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定した。この容認自体、時代背景などを考えればある意味仕方ない判断と言える。しかし、憲法を改正したわけではなく、その解釈を変更したという点に問題がある。都合のいいようにその「解釈」が使われかねない懸念が残る。今後の監視が必要だ。