「ショーコー、ショーコー、アサハラショーコー」。コミカルな歌とダンスに笑っているうちは、まだよかった。その教団服の下に隠された狂信的で残虐な本性を現すまでは▼死者13人、重軽症者6300人超におよんだオウム真理教の地下鉄サリン事件からきょうで20年。同年1月には阪神・淡路大震災も発生、衝撃的な事件が続いた。サリン事件当日の午後、JRいわき駅前である人物からチラシを渡された▼それはオウム真理教が毒をばらまいた、とする内容。弁護士一家失踪など教団の関与が疑われ、限りなくクロに近かった。学生時代、ディベートで鍛えたという弁舌を駆使し、テレビ出演などで正当性を一方的にまくしたてた教団広報マン▼相手をやり込める対話手法が好きになれないのもこのせいだ。教義の名のもと何の疑いもなく、ヒゲ面の男をあがめ殺傷行為を繰り返した高学歴の若者たち。この原因、責任の所在はいまだ解明、処罰されてない。