年配のアスリートが元気だ。この夏は陸上競技や野球などで60歳以上の選手たちが記録や勝敗をかけて頑張っている姿を見てきた。1回りも2回りも年下の抄子は、ひたむきな姿勢を通じて「若いくせに、もっと頑張らんか!」と無言の叱咤激励を受けてきた▼彼らに共通していることは、普段から食生活や睡眠に気をつかい、こつこつと練習を積み重ねている点。自己管理が徹底できなければ、健康面と衰えゆく体力の維持はかなうまい▼しかし、一番圧倒されるのは精神面の充実であろう。〝勝負に対する執念〟と置き換えてもいい。年寄りの冷や水、と笑えないオーラがそこに漂っている。人生のセカンドステージを迎え、スポーツなどを生きがいにできることの何と幸せなことか▼心身ともに健康で、ある程度の蓄えがあり、円満な家族をもち、心許せる仲間がいる。高齢の身をそういう鎧に包んで試合に赴く。高齢化社会の中で、彼らのパワーを使わない手はない。