毎月末、日付が変わる深夜時間帯に始まる「朝まで生テレビ」。昭和の終えん頃から平成に入った数年間、録画しながら見ていたが今はそれほどでもない▼特に印象的だったのが、国家が人民を武力で蹂躙した「天安門事件」発生時の討論。保守の論客西部邁氏が左派運動家安東仁兵衛氏に対し「あなた、もっと勉強しなさいよ」と言い放ち、空虚なイデオロギーを打ち砕いた▼当時、よく知らないパネラーもこの番組を踏み台に、政界に進出するようになった。ある出演者などは席の名前を「ひらがな」にしてアピール。予想通り国政選挙に出馬、当選したもののある疑惑から失脚している▼世間を騒がす舛添要一都知事も以前は番組の常連だった。朝刊の週刊誌発売広告には、これでもかと公私混同のスキャンダルが並ぶ。相手をやり込める話術は長けていたようだが、自身の記者会見はすっきりしない。番組自体も過去の出演者をもう一度検証したらいかが。