本紙の昭和61年1月30日付に「50年前の16ミリフィルム発見 タイトル『躍進石城』」の見出しと記事が紹介されている。今から30年前のことだ▼四倉町の個人宅からフィルム4巻が発見され、試写会が行われたとある。写っていたのは昭和10年ごろと思われる、いわき市内の各所、人物など。鑑賞した人たちによると「戦前のいわきの風物を語り伝えていくうえで大変貴重な資料だ」と記す▼この記事以降、さらにフィルムを補修、保管したという話は聞かれなかった。最近、当時からこの映像を知る男性が所有者の承諾を得て、最新の技術を加えDVD化を実現した。その上映会が7月3日、平のもりたか屋で開かれる▼男性の話では、映像は驚くほど鮮明になり、フィルムでは確認できなかった細部がまで見ることができたという。撮影時期も内輪で開いた試写会の出席者の意見から昭和11年5~6月ごろとほぼ断定した。30年のブランクを経て80年前のいわきがよみがえる。