スポーツなどのイベントでは、取材ということもあり好条件のもとで写真撮影が許される。それだけにシャッターを切るときは、例えば被写体がスポーツ少年団の選手たちなら、その子の親になったつもりで輝く一瞬をとらえたいと思う▼顔に年輪を刻んだ味わい深い表情のお年寄りを紹介する連載をしたときがあって、後日、そのうちの1人がお亡くなりになり、遺族から「新聞に載ったあの写真を遺影に使いたい」と言われた。それ以来、シャッターを切る重さを実感している▼街を歩いていて撮影の取材を受け、その写真がファッション雑誌の1ページを飾る「読者モデル」。今やおしゃれな若い女性の間ではあこがれのキーワードになっている。これとて、どこにどんな罠が潜んでいるかわからない。現に偽取材を受けてトラブルになったケースもあり、注意すべきである▼プロとして撮影する立場をわきまえ、読者に喜んでもらえるような写真を掲載していきたい。