1917年に平(当時)と郡山を結ぶ「平郡東線」が「磐越東線」と改称し、今年で百年を迎える。先日も記念列車を走らせるなど、記念のイベントが催された▼東京へ向かう路線ではない上に単線と言うこともあり、脇役に追いやられるマイナーなイメージが強いが、この百年にはさまざまなドラマがあった▼昭和39年、「常磐・郡山新産業都市」の認定を受けたが、当初、いわき地区だけで認定を受けたかった。さまざまな要因でそれが困難と分かると郡山と一緒の認定を画策することとなったが、そこには、両地区間の時間と距離が最大の難点だった。審査官を務めた国会議員が視察に来たとき、磐越東線で郡山に向かった。少しでも時間を感じさせまいと、同行した地元の議員団は、道中話し詰めにするなどの努力をしたという逸話が残っている▼今や、高速道路の発達で車に主役を奪われた。山間ののどかな風景を眺めながらの列車の旅も、たまにはいいものだ。