先日、隣近所の有志でつくる親睦会があった。昨年末に引き続き今回で2回目▼集まったメンバーは、顔は知っていてもあいさつ程度の人たちばかり。それがなぜ親睦会かというと、それまで毎年実施していた隣組の新年会が、数年前出席者が少ないからと中止になってしまった。何かと仕事で家を空ける機会が多い者としては、隣組の新年会は近所付き合いを深めるための格好の場だった▼それが中止となって残念に思っていたところ、同じような考えを持つ人から誘われ、今回の会となった。皆顔知り程度の人たちだが、隣近所に住む者同士酒が進むにつれ、地域から仕事の話まで話題には事欠かない▼子どもは親元を離れて暮らし、年老いた夫婦だけが住むわが隣組。「遠くに住むわが子より近くに住む他人。困った時にはお互いさま。何かあったら声掛けて」が、親睦会の閉めのあいさつ。還暦を過ぎ、老後に不安を抱える身としては、何ともありがたい言葉だった。
片隅抄