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片隅抄

2018.08.27

例年夏の甲子園大会の決勝戦が終わってふと空を見上げると、入道雲はいつしか消え、秋特有の横に薄く広がるウロコ雲が占有して、「あぁもう秋なんだ」と季節の移ろいを感じたものだ▼ところがどうだ。炎暑・酷暑の今年を象徴するかのように、いまだ縦に湧き上がるような夏の雲が居座っている。昨日の日曜日は青空が一天にわかに掻き曇り、「まるで『天空の城ラピュタ』に登場するような不気味な雲」とニュースで報じたような積乱雲が現れて、たちまち雷雨となった▼そして夕方、市から土砂災害警戒情報のメールが入る。地震のときもそうだが、あの甲高い連続するブザー音は時に悩ましい▼東日本大震災直後はあの音が鳴るたび、身を硬くしてどんな揺れが来るのか緊張したものだ。ところが最近は幸いにも警戒するような事態にならず、周りを見ても音に敏感に反応する人は少ない。「あら、まただ」と。この油断は実に危険なのだが、どうしたものか。

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