台風がやって来ると状況によっては避難をしなければならないが、新聞を発行して禄を食む身では静観しているわけにもいかぬ▼仕事熱心なわけではないが、高波の様子はどうか、倒木はないか、川の水位はどうか、土砂崩れの危険はないか、つい大雨と強風をついて車を走らせしまう。港の岸壁で予想外の波に足元を掬われ間一髪ということもあるが、台風は怖いのだということを読者に伝えるためにもインパクトのある写真は大きい▼きょう昼前、市立美術館北側に並ぶ大きな木々の1本が根元から倒れ、市文化センターとの間の市道を塞いだ。人的被害がなかったからいいものの、もしそのとき人が歩いていたら、車が通っていたらと思うとゾッとする。たまたまの幸運だったのだ▼以前、わが家の裏山が崩れ、もう少しで土砂が家屋に入り込むということもあった。が、いつも間一髪で難を逃れるわけではない。とりあえずは美術館の他の木の状況を確かめるべきだ。