苦しい猛練習の先の勝つ喜びはもちろん、負ける悔しさすら経験できなかった3年生――と人々の記憶に刻まれるのだろうか▼夏に開かれる全国高校総体と全国中学校体育大会の中止が早々と決まった。これによって冬開催予定の一部の競技を除き、県大会、地区大会もなくなり、このまま引退を迫られる3年生に同情を禁じ得ないが、次のステージに向けた新しい目標を見つけることも大切だ▼注目されるのは夏の全国高校野球選手権だが、現時点で開催の有無の結論は先延ばしされている。当然実施の方向で努力しているのだろうが、春のセンバツのように期待を持たせながら「やっぱり中止」が夏も繰り返されてはたまらない▼練習再開から地方大会のことを考えれば、今の状況が急速に好転するとは思えないし、夏まで日程的に厳しいのではないか。同情論から強行したとして、中止を余儀なくされた他の競技の3年生がそれを見てどう思うか。そちらにも同情する。