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片隅抄

2011.04.04

 「災害コミュニティー」とでも呼べばいいのだろうか。今回の地震を機に、新しいつながりが芽生えたり、途切れていたつながりがよみがえったりしているケースが各所に見られる▼避難所で生活する中で生まれた被災者とボランティアの交流や被災者同士の共助の関係、安否を気遣い連絡してきた知己との旧交の復活など、平常時では存在しなかったであろう人間関係に支えられている人も多い▼「人は生かされている存在で、孤独は毒にほかならない」といわれる。言葉でのみ知っていたそれを今回、身をもって実感させられた人は相当数いるだろう▼3月11日を機にたくさんの大切なつながりが、不本意かつ突然に奪われた。かけがえのなかったそれらと同列で比することはできないが、新しく生まれたこうした「災害コミュニティー」もある。これらが被災者にとって多少なりとも心の平安をもたらすものなら、それは一筋の明かりに違いなく、救われる思いがする。

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