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片隅抄

2021.11.30

「全国紙や県紙は目線が高い」「震災をその瞬間で切り取るのではなく、被災者1人1人に寄り添った報道が心に響く」「足で稼いだ熱量ある記事にこそ、価値がある」▼文化通信社がこのほど創設した第1回「ふるさと新聞アワード」。26日に都内で行われた表彰式で、審査に携わった有識者たちは口をそろえ、地域紙の存在意義を語った▼スマホを開けば、わずか数分前の話題が目に入るネット社会。テレビやラジオも上回る鮮度は、新聞ではとうてい太刀打ちできない。必要なのは、それこそ正確性であり独自目線だが、大手は惜しげもなく速報や読み物を投入し、自らネット社会の価値を高めている▼「紙の新聞」は、年々厳しさを増している。業界が先細る中、我々地域紙には横一線の報道ではなく、ネットにも載らないような市民の顔の見える報道が求められる。自戒の念を込め、記者は〝一所懸命〟であるべきだ。審査員の講評に、身の引き締まる思いがした。

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