小名浜港にようやく生サンマが水揚げされた。12月にずれ込むのは異例中の異例。平成18年から13年間取材し続けたが、記録を遡ると震災の前年、10月4日に水揚げされてからは遅れが当たり前となった▼その記事を振り返ると「猛暑で海水温が上がった影響から魚群が南下するのが遅くなり……」とあるが、それでも水揚げ量は約100㌧を数えた。ここ数年は記録的不漁が重なり、今季はついに約14㌧。それも小ぶりでほとんどが加工用、鮮魚店に並んだのはほんのわずかだ▼本来なら11月には常磐沖に魚群が形成され最盛期を迎えるが、漁場は遥か遠くの公海上。原油高は船主を圧迫し、大口の流通の受け皿を持たない本市に水揚げするのは効率が悪い。遅れるのは至極当然だ▼ただ、立派な船団を抱える本市としては残念のひと言では片づけられない。温暖化と外国船籍の乱獲が原因では仕方ない、と諦めるのではなく、苦しむ漁業者を支える施策が必要ではないか。
小名浜港にようやく生サンマが水揚げされた。12月にずれ込むのは異例中の異例。平成18年から13年間取材し続けたが、記録を遡ると震災の前年、10月4日に水揚げされてからは遅れが当たり前となった▼その記事を振り返ると「猛暑で海水温が上がった影響から魚群が南下するのが遅くなり……」とあるが、それでも水揚げ量は約100㌧を数えた。ここ数年は記録的不漁が重なり、今季はついに約14㌧。それも小ぶりでほとんどが加工用、鮮魚店に並んだのはほんのわずかだ▼本来なら11月には常磐沖に魚群が形成され最盛期を迎えるが、漁場は遥か遠くの公海上。原油高は船主を圧迫し、大口の流通の受け皿を持たない本市に水揚げするのは効率が悪い。遅れるのは至極当然だ▼ただ、立派な船団を抱える本市としては残念のひと言では片づけられない。温暖化と外国船籍の乱獲が原因では仕方ない、と諦めるのではなく、苦しむ漁業者を支える施策が必要ではないか。