16日未明に突如発表された津波警報、注意報。けたたましく鳴り響く携帯の音に、跳ね起きた読者諸兄姉も少なくないはずだ▼日本への影響について「被害の心配はない」との発表から一転、本市の一部域に避難指示。沿岸では防災無線が流れ、弊紙記者が神経をとがらせて取材を重ねる中、抄子の娘が通う学区では一部保護者主催の球技大会が予定通り行われ、目を疑った▼海から数㌔離れているとはいえ、防災無線が聞こえる立地で、避難指示真っただ中。不安を覚え、自主避難した市民を思うとやるせなく、自身も津波被災者だけに腹立たしい思いをした▼17日は阪神・淡路大震災から27年。21日までは「防災とボランティア週間」として、さまざまな行事も展開されている。被災者に寄り添うのは当然ながら、今回のような事態が発生した際は震災の教訓を生かした命を守る行動に心掛けたい。大会に参加した子たちが笑顔ではしゃぐ様子を見てさらに切なくなった。
片隅抄