スポーツ芸術という言葉があるように、音楽もまたスポーツと密接に関わっている▼高校野球でスタンドからの応援歌がそのいい例だ。千葉県の市立高校、習志野に「美爆音」があれば市立船橋には「船橋ソウル」が。有名なところでは智弁和歌山の「ジョックロック」。チャンスで演奏されようものなら殊勲の一打が飛び出すというから、もう暗示の世界である▼今回、「栄冠は君に輝く」「オリンピック・マーチ」で知られる古関裕而さんが〝野球殿堂〟入りを果たした。NHKのスポーツ番組冒頭で流れる曲も古関さんが作曲。さらには巨人と阪神、早稲田と慶應というライバルチームの応援歌を手掛けているのも古関らしい▼戦前は軍歌を、戦後は暗い日本に明るいムードを呼び起こす曲を作り上げ、歌謡曲からクラシック、校歌、社歌、ご当地ソング、ラジオドラマなどなど幅広い。間もなく新年度のスポーツが始まる。選手を鼓舞する応援歌にも耳を傾けたい。