またも雪である。北からの寒波ではなく、日本列島を東に進む南岸低気圧の影響らしい。先月24~26日の異常な寒さを体験してから日も浅く、依然として油断できない▼同じ寒さでも、大地震に見舞われたトルコ共和国の方々には一層堪えるだろう。建物が一瞬のうちに倒壊。これまでに隣国シリアと合わせ、2万人以上が犠牲になり、今でも多くの人が、がれきの中に取り残されている▼親日国として知られる同国。その発端は明治23(1890)年、当時のオスマン帝国が日本に派遣した軍艦エルトゥールル号遭難事故にある。現場海域の和歌山県・串本町の住民が乗組員を助け、介抱した事実は映画や小説などで紹介されている▼この事故から約100年後、湾岸戦争前夜に起きたイラクによる邦人人質の救出にトルコ航空機を派遣し、恩義に報いている。東日本大震災を経験した人たちなら、この苦しみは共有できる。事態が落ち着き、復興・復旧まで気に留めたい。