東北地方整備局は3月31日、令和5年度の県内事業を発表した。いわき市関係のうち、新たに国道6号(通称・常磐バイパス)の小名浜地区(林城―飯田)について、概略ルート・構造の検討として、計画段階評価を進めるための調査に入る。
この小名浜林城と鹿島町飯田の間は、信号機が2カ所あるため、朝夕を中心に渋滞が生じる。地元から改善に向けた要望活動が行われてきたが、今後は拡幅や立体化の構想が図られる。内田市長は「あくまでスタートだが大きな一歩」と述べ、働きかけに協力した関係者や経済団体に謝意を示した。
全体として、本年度は東日本大震災の伝承に積極的に取り組み、震災の記憶を伝える「3・11伝承ロード」の形成を推進するほか、東日本台風や昨年の福島県沖地震からの復旧、自然災害に屈しない強じんな国土づくり、コロナ禍を踏まえたDX(デジタルトランスフォーメーション)などに取り組んでいく。
県内直轄事業の当初予算は、河川関係が21億2千万円(前年度比7300万円減)、道路関係が150億6700万円(同7億400万円減)、港湾関係が14億2900万円(同1億3000万円増)となっている。
このほかの主ないわき市の事業としては、国道6号勿来バイパスに25億8000万円を計上した。引き続き、勿来町四沢―茨城県北茨城市関本町までの4・4kmの整備を進めていく。
小名浜港国際物流ターミナル整備事業には、12億3000万円を盛り込んだ。完成予定は令和15(2033)年で、小名浜港の防波堤整備を推進し、港内に避泊水域を確保し、荒天時に沖合を航行する船舶の海難事故の減少を図るとともに、港内の静穏性向上を目指していく。
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