いわき市と、情報通信技術(ICT)を専門分野とする会津大(会津若松市)が、5月中にも連携協定を締結する方針が示された。同大が10日に行われた「第1回新産業創出等研究開発協議会」で明らかにした。
同大は平成24(2012)年から、地域課題を解決する「会津オープンイノベーション(AOI=あおい)会議」を設けており、この取り組みをいわき市でも展開する。
AOI会議は年間約300回の会合を通じて、教員と学生が議論し、地方ならではの問題と向き合い、研究や事業に結び付けている。例えば会津地方で問題となっているクマの出没に対して、人工知能(AI)を活用し、サイレンを鳴らすシステムを構築した。また雪深い土地柄から、冬季に消防団が消火栓を見つけにくい状況を踏まえ、どこにあるか位置が分かるマップアプリを開発した。
連携協定は平成30年に南相馬市とも結んでおり、いわき市のほか、双葉郡大熊町とも締結を予定していることから、将来的にはリモートと対面を併用して、浜通りAOI会議の設置を計画しているという。
同大の産学連携・復興支援担当理事で、県の最高デジタル責任者補佐官を務める岩瀬次郎氏は「自治体の方から『こんなことが問題なんだ』と投げかけてもらい、会津大学が何ができるかを一緒に考える仕組み」とし、いわき市にもさまざまなノウハウを還元していくと語った。
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