ニュース
アクアマリンふくしま 「ズキンクラゲ」初展示始める 生態解明の一助にも
小名浜のふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」は、寒流に生息している「ズキンクラゲ」の初展示を始めた。同館では2000(平成12)7月の開館以来、北海道・羅臼沖で潜水調査を行っており、まとまった数の採集が実現したため、ズキンクラゲの展示が初めて実現した。
同館によると、世界では北太平洋や北大西洋、日本では北海道の東部で確認されている。和名のズキンは、傘のゼラチン質が厚いため、頭巾をかぶったように見える点が由来とされる。長い触手を伸ばしながら、頭巾のような弾力のある傘の上半分を収縮させ、ポヨンポヨンと遊泳する姿が特徴という。
ズキンクラゲが取られたのは、北海道・羅臼沖水深0~5m(スキューバ潜水採集)。展示されているのは約15個体で、大きさは約1cm。ズキンクラゲが採集される海域の水温は約2~3度で、人間はわずかな時間しか潜れない〝しばれる海〟のため、展示される機会は限られており、生態に関してはいまだに情報が少ない。
「本種の展示を通し、より多くの方に『冷たい海の小さなクラゲ』の存在を知っていただくとともに、飼育を通して生態解明の一助となれば幸い」と同館では話している。展示場所は、2階親潮アイスボックス。