市立美術館の企画展「古代エジプト美術館展」がきのう終了した。東京・同美術館渋谷の協力のもと、貴重な遺物など約２００点を展示し、多くの来場者を呼び込んだ▼ツタンカーメン、クレオパトラなど歴史上の人物が登場するエジプト王朝。そのイメージが強いせいか、日本人好みのようにも映る。約２カ月間の期間中、最終来場者数は４万７７７人と過去２番目の記録となった▼かつて都内の百貨店が古代文明展をうたい、その展示品の多くが贋作だったことが判明した。当時、大きな話題となり経営者と側近のスキャンダルにも発展。当事者は会社を私物にし、利に狂った末に解任という結末で終わった▼数千年の歴史の積み重ねには、多くの人命が関わっている。畏敬の念を持って接することが必定。映画「インディジョーンズ最後の聖戦」のラストが印象にある。永遠の命を得るという聖杯を邪悪な男が奪い水を飲む。結局、選択を誤り一瞬で灰になった。
