『北の国から,87初恋』に印象に残るシーンがある。純の東京行きを許した五郎が、純を東京まで乗せてくれる運送のトラック運転手に謝礼として渡した2万円だ▼しかし運転手は「お前が記念にとっとけ。ピン札に泥が付いてる。お前のオヤジの手についていた泥だろう。お前の宝にしろ。一生とっとけ」と受け取らなかった。貧しい中、五郎が貯金から下ろした貴重な2万円だった▼政治資金パーティー収入の裏金問題を審議した参院予算委員会には呆れた。事前に用意した答弁のメモを何度も何度も繰り返す首相や官房長官、それを問い詰めきれない野党側、とんだ茶番だった。国民の血税の無駄遣いも含め、本当にカネの使い方に杜撰で、汚い▼「国はな、お前らにバカのままでいてほしいんだ。ひたすら制度の下で働き続け、何も疑問をもたず知らないまま調べない。カネを払い続ける国民であってほしいと」。『ドラゴン桜』の桜木先生のセリフをかみしめたい。