能登半島地震、日航機と海上保安庁の航空機衝突。新年早々の大災害、重大事故の報に正月気分も吹き飛んだ。元日の夕刻、地震速報を伝えるテレビ各局の生中継に釘付けとなった▼チャンネルを替えるたび、淡々と状況を伝えるものと津波警報に伴い、やや感情的に避難を呼びかけるアナウンスが交差した。結果的には、この時点で建物倒壊などによって多くの人命が失われていた▼昭和世代のこちらにとって、ある負の連鎖を忘れることが出来ない。同５７年２月８日に起きた、東京のホテル・ニュージャパン火災と翌９日の日航機羽田沖墜落。この２日間で３２人、２４人が亡くなっている▼この２つの惨事はずさんな管理を行っていた経営者、心を病んだ機長に起因する人災でもあり、未然に防ぐことは不可能ではなかった。だが自然災害は予測が難しい。東日本大震災を経験している身には、生活が成り立つ現実的な支援が早急と考える。さらに受けた恩を返す時でもある。
