錦町の御宝殿熊野神社に伝わる民俗芸能で、県内唯一の貴重な稲作儀礼の古典的な舞い「御宝殿の稚児田楽・風流」を長年にわたって保存・継承に努めているとして、御宝殿熊野神社稚児田楽・風流保存会(赤津一夫会長)は1月31日、地域文化功労者表彰(文部科学大臣表彰)が贈られた。
御宝殿の稚児田楽・風流は1976(昭和51)年、市内で唯一の国の重要無形民俗文化財に指定された。同神社の例祭の際に披露され、地元の子どもたちがおはやしに合わせて踊るほか、ザラッコとも呼ばれる古典楽器・びんざさらを鳴らすなどして、豊作になるよう願われる。
同神社は1200年以上の歴史を持ち、田楽・風流は鎌倉時代に全国で流行したとされ、現在まで残されている。保存会は1995(平成7)年に発足し、子どもたちに対する指導に加え、地元や学校とも連携しながら、その魅力を広く発信している。
表彰伝達式が同日、同神社で開かれた。下山田治美権禰宜や総代会の山田雄一会長が見守る中、服部樹理市教育長から、保存会の渡辺正雄副会長に表彰状が手渡された。庶務の篠原道雄さん、会計の源間剛玄さん、監事の大平一さんと永井清一さんが同席した。
渡辺副会長は「表彰は大変光栄でありがたい。先輩方から引き継いできた伝統をつないでいくため、子どもたちと一緒にこれからも励んでいければ」と語った。
ニュース