能登半島地震から1カ月を迎える。元旦、正月気分の中、テレビからの緊急地震速報に一瞬緊張が走った▼アナウンサーは近づく津波に「早く逃げて下さい」を連呼する。13年前、東日本大震災を経験した身にとっては、「3・11」の恐怖がよみがえった。毎日、数百回にも及ぶ余震。市内では停電や断水が続き、不安な日々を送った。交通網は寸断され、支援物資を受け取るに1週間も要した▼今回の地震で被災した能登の方々は、何を思って日々過ごしているのだろうか。全国から支援の手が入り、少しずつだが生活も改善はされてきた。一方で、家を失った人は、体育館や集会場などの避難所に今も、身を寄せる。財産ばかりか肉親を亡くした人もおり、慰めの言葉もない▼あすから2月。4日は二十四節気の一つ「立春」。暦の上では、この日から春。雪国能登では春はまだ先だが、春の来ない年はない。お体を大切に、1日でも早い復旧、復興をお祈りいたします。
片隅抄