全国の支援学校に通う幼児・児童・生徒たちの力作が集う「第30回全国特別支援学校文化祭」(全国特別支援学校長会、全国特別支援学校文化連盟主催)の審査会で、平支援学校(平上平窪、渡部孝男校長)3年の中川愛理さん(18)による作品「三つ葉を撮ったよ!」が、写真部門で最優秀賞の文部科学大臣賞を受賞した。
同校の文部科学大臣賞受賞は初めてで、作品はりそなグループ東京本社、大阪本社での展示を経て、7月31日から8月2日まで岐阜県で開催される「第48回全国高校総合文化祭・特別支援学校部門」に出展される。
全国特別支援学校文化祭は、支援学校の子どもたちの芸術・創造活動の充実と向上、文化活動の振興、発展に向けて個性あふれる作品を発表する場で、「造形・美術」「書道」「写真」の3部門に分かれて募集している。
中川さんの力作「三つ葉を撮ったよ!」は、昨年5月の国語の授業で俳句を作るため、学校の周りでタブレットやカメラ片手に〝題材探し〟をした際の1枚だ。
もともと、親から借りたカメラの記録容量をすぐいっぱいにするほどの〝写真好き〟で、同級生たちと一緒に題材を探す中、木漏れ日の中で生い茂るシロツメクサの花や三つ葉の可憐(かれん)さが目を引いた。俳句を詠む参考資料にするため、感じたままを記録に残そうと、可能な限り車いすで近寄り、目いっぱい手を伸ばしながらシャッターを押したという。
結局、シロツメクサを俳句の題材とはしなかったが、学校では撮影した写真の完成度の高さに注目。文化祭に推薦応募したところ、県の審査を通過した。プロのカメラマンによる全国審査では、写真に入った中川さんの赤色の靴と、緑の草花のコントラストの素晴らしさが高く評価され、満場一致で最高賞に選ばれた。
中川さんは「驚きました」と思わぬ受賞に目を丸くしながら、「このような賞をいただけて光栄です」と喜びをかみしめている。
(写真1枚目:笑顔で文部科学大臣賞を手にする中川さん 2枚目:受賞した作品)