「教授」の愛称で知られ、昨年3月に亡くなった世界的音楽家・坂本龍一さん。東日本大震災・東京電力福島第一原発事故の被災地に思いを寄せたことも記憶に新しい。今年4月にはNHKで最期に迫ったドキュメンタリーが放送され、仲間たちとの知られざるエピソードを含め、大きな反響を呼んだ▼そんな坂本さんの作品に「日本サッカーの歌」がある。文字通り日本サッカーのためのアンセムだ。2002年の日韓ワールドカップ招致に向け、94年に日本サッカー協会が委嘱した▼荘厳さとテンポの良さを兼ね備えた楽曲で、試合会場で耳にする機会の一つに天皇杯が挙げられる。いわきFCとブラウブリッツ秋田の一戦で久しぶりに聞いたが、自然と胸が躍った▼いわきは7年ぶりに天皇杯3回戦にコマを進めた。あの時は照明の関係で、現在のハワイアンズスタジアムいわきで開催できなかった。今度こそこのアンセムが、いわきの地に鳴り響いていほしい。
片隅抄