舞台はパリ、セーヌ川にかかる夜のアレクサンドル3世橋。あいにくの雨に残念がる主人公と対称的に、お目当ての女性がつぶやく。「パリは雨が素敵なの」▼100年ぶりのパリ五輪が開幕した。27日午前2時半から始まった開会式は、眠気も吹っ飛ぶ斬新で独創的な演出に感動と驚がくの連続だった。さすが芸術の都と言うべきか。セーヌ川に船を浮かべ、選手たちを行進させるなんて誰が想像しただろうか。まるで街を観光している気分だ。さらに雨が町並みと登場人物たちの美しさを際立たせていた▼CO2の排出量を抑えるため、会場の建設を控えるなどの取り組みもなされており、「この五輪から演出を含め環境への配慮ががらりと変わるだろう」とのコメンテーターのひと言に深くうなづいた▼さて今大会では大堀、千葉、松元と、本市ゆかりの選手たちが人生を掛けて競技に臨んでいる。7時間の時差がある、遠い空から精いっぱいのエールを送ってほしい。