27日に投開票が行われた第50回衆院選。自民党新人で、福島4区で初当選を飾った坂本竜太郎氏は28日朝、平字十五町目の選挙事務所で報道各社の取材に応じ、「改めて本当に身の引き締まる思いと同時に、重責を担うということで大変緊張を継続させている」と一夜明けての感想を語った。
県内4小選挙区のうち、自民党で勝ち抜いたのは坂本氏のみ。1~3区は立憲民主党が制した。自民党の政治資金パーティーを巡る裏金事件は、予想以上に投票行動に影響を与えた。「選挙戦でも厳しいお言葉を頂戴した。だからこそ私は率先して政治改革を進めなければならない」
浜通りを駆け抜けて、復興への思いを新たにした。原発事故に伴う中間貯蔵施設の除染廃棄物を巡り、政府は2045年に県外の最終処分場に搬出することを約束している。「浜通りのリーダーとしてこの行く末を見届ける。最後の一粒まで県外搬出する」と誓う。
誰にも分け隔てなく、穏やかな物腰が売りの坂本氏だが、浜通りから託された期待を前に強いまなざしを向けた。
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立憲民主党新人で、比例東北ブロックで初当選した斎藤裕喜氏は一夜明けた28日午前、内郷御厩町の選挙事務所で、報道各社の取材に「自宅に戻った後、有権者の方々とひざを突き合わせたことを思い返し、責任の重さと、未来に向けて使命を果たしていく決意を新たにし、全然眠れなかった」と述べた。
自民党が逆風にさらされた選挙戦だったが、あえて相手候補を攻め立てる発言は控えた。「この政治不信の中で、皆さんに批判する姿を見せたくなかった。『この難局をどうしていくか』ということを、有権者に伝えなければ心に響かない」と明かし、復興のまい進と、少子高齢化・人口減少社会に対応する思いを繰り返した。
政治の師であり、公設第1秘書を務めた立憲民主党前代表・泉健太氏からは、選挙戦を通じて激励されてきたという。「きょうも『おめでとう』とラインが届きました」。これからは同じ国政の舞台で志を共にしていく。
「いい意味で永田町に染まるつもりはない。皆さんも『先生』とは呼ばないで」と満面の笑みを見せた。
(写真:本紙の号外や写真を手に取材に応じる坂本氏=左=と斎藤氏)
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