鹿島町走熊のギャラリー創芸工房で10日まで、毎年恒例の漆芸展「漆のある暮らし――塗師一富・照井克弘・平井岳・岩橋美琴」が行われている。
会津塗の伝統を継ぐ「塗師一富」三代目冨樫孝男さんを迎えて毎年開いている漆芸展で、今回は冨樫さんとつながりのある若手作家3人とで開く初のグループ展となり、会津漆器の伝統に新しい風を吹き込む作品の数々が展示されている。
冨樫さんの作品は「会津玉虫塗」などの技法を使い、重厚感のある金属のような表情が特徴だ。蒔絵師照井さんは会津で3代続く「蒔絵工房てるい」を継ぎ、伝統的な器もののほか、螺鈿(らでん)や金粉を使う「変わり塗り」の技法で新境地を開いている。
平井さんは会津地方の山林を歩き漆を採取する「漆掻き」の工程から精製、塗りまで手掛けている。木地の木目を生かしたカジュアルな漆器など普段使いしやすい作品が並ぶ。岩橋さんはガラスに墨流しの技法で漆を塗った作品など若い感性で漆芸と向き合いワイングラスやアクセサリーなどを手掛けている。
「クラシックだけでないいろいろな漆の表現を楽しんでほしい」と冨樫さん。会期中は無休で、午前10時~午後5時。
(写真:出品した照井、冨樫、平井、岩橋さん=右から)
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