「温泉図書館」となるもの初めて聞いた。湿気が天敵の本に温泉(温浴)を融合させるとは随分と思い切ったことを、と思ったら、草津にはすでにあると▼調べてみると、何のことはない図書館に温泉資料館が併設された施設。バスの待ち時間に気軽に読書や温泉の歴史が学べる場所で、温泉に浸かって本を読む姿をイメージしていただけに、拍子抜けした。と思いきや、じょうばん街工房21が設けたワークショップで、仕切り役は「温浴と図書館を融合した『稼げる』全国初の核施設を作りたい」と熱弁▼ふむふむ、イメージはスーパー銭湯か。商業施設を併設すれば、湯本温泉の宿泊客も帰りの電車までの時間つぶしになる。滞留時間が長くなれば消費単価も増える。確かに人は呼べる▼が、どうしても図書館とは結びつかない。足湯に浸かりカフェを味わいながら〝ライトな〟本を読み、文学や学術、専門書はクラシック流れる別スペースでじっくりと。これでどうか。