市役所の記者クラブで仕事をしていると、昼休み明けに必ず放送される「いわき市歌」。高らかなファンファーレは、いつ聞いても気持ちが良い。幼いころは、いまは無き大黒屋デパートで流れていたのも懐かしい▼♪~若いまち いわき 伸びてゆく いわき。2番には「炭鉱(やま)」も登場し、歌詞が時代にそぐわないとの指摘が繰り返されてきたが、市民向けのアンケートを踏まえ、内田市長は「現時点では大きく変える方向にはならないと考える」と語った▼市歌を作曲したのは、現在では世界を代表する指揮者で、当時は東京芸術大在学中だった小林研一郎氏(小名浜出身)。そうした歴史を大切にすることも、市歌を継続していくためには不可欠だ▼アンケートでは「見直す必要がない」が54%、「どちらでも良い」が30%の結果となった。とはいえ、なかなか市歌に触れる機会は減っている。せっかくなので市制施行60周年をきっかけに、何かできないだろうか。
片隅抄