昨年末、娘の付き添いでさいたま市に足を運んだ。お目当ては、一昨年の紅白にも出場した2・5次元アイドルのコンサート▼若い世代の〝推し活〟を間近に多くの学びを得たが、個人的には献身性あふれる運営の姿に感動した。昨年から重い腰痛で歩くことすらままならず、長く立っての鑑賞は厳しい。どうすべきか分からぬまま無為に時間が過ぎる中、駄目元で主催者に相談すると、「車椅子席はいかがですか」▼障がい者認定を受けていなくとも、病状を伝えると丁寧に対応してくれた。会場でも貸し借りから席までの誘導・補助まで、数万人の群衆の中でも不便を感じなかった。130cmの世界は十数年ぶりで、バリアフリー事情のいまも垣間見れた。感謝しかない▼ただ、それは会場内の話で、外に出ると歩道の凹凸や傾斜に苦労した。点字ブロックの破損も目に付く。本市もそう変わらない。障がい者が安心して暮らせる環境の整備は、いまだ途上と再認識した。