冬になると注意を呼び掛けられるのが「ヒートショック」。浴室での溺死が大半で、年間の交通事故死者数よりも多いと言うから驚きだ▼昨年末、女優で歌手の中山美穂さんが自宅浴室で、ヒートショックの可能性で亡くなった事故があった。ヒートショックとは、暖かい場所から急に寒い場所へ移動することで、急激に血圧が変化し、心臓に大きな負荷がかかるために起こる健康被害。めまいやたちくらみ、最悪の場合は心筋梗塞や脳卒中にもつながる▼事故を防ぐには部屋の寒暖差を少なくすることだ。そのためには＜１＞入浴前に脱衣所と浴室を暖めておく＜２＞湯温を４１度以下にし、浸かる時間は１０分が目安＜３＞食後や飲酒後の入浴は避けるべき―事故の大半は高齢者だが、最近は浴室内にスマホを持ち込み長電話する若者が増え、熱中症で事故に遭うケースが少なくない▼２０日は大寒だった。１年で一番寒い日とされる。厳冬期が続くだけに、ヒートショックには十分に注意したい。
