8月は広島、長崎の原爆の日、終戦の日にお盆も重なり、死のイメージを強く感じる▼今月に入ると新聞や雑誌、テレビは特集、特番を組み、こぞって平和や反戦を訴える。しかし、それも終戦の日まで。その日を境に潮が引くように、戦争に関する報道が少なくなる。いわゆる8月ジャーナリズムと揶揄されるものだ▼戦後日本は、急速な経済発展を遂げ、国民は平和な世の中を享受している。その一方で、世界ではウクライナがロシアからの侵攻を受け、都市は廃墟と化し、多くの国民の命が失われている。第二次世界大戦後、人々は戦争の終結を喜び、二度と争いのない平和な世界を築くことを誓った。近年の世界情勢を見ていると、あの誓いはどこに消えてしまったのかと思える▼どうしたら争いを無くすことができるのか。それには戦争を忘れないことだ。そのためにも戦争報道は8月だけではなく、年間を通して平和について考える機会を設けることが重要だ。