都内に現存する大名屋敷の数は少なく、東京国立博物館の黒門、赤坂の志の門、そして東大本郷キャンパスの赤門が代表格▼文政10年に将軍家斉の娘が前田家に嫁入りする際に造られたというが、なぜ現存するのかまでは考えが及ばなかった。安田講堂や三四郎池も見てみたいと思っていただけに、先日の「ブラタモリ」の内容は常に目から鱗状態。何度も唸り声を上げた▼中でも興味深かったのは島津家文書でも信長の書簡でもなく、総合研究博物館のオアシスの水のくだり。中東で発掘された古代人の骨を分析したところ、その水と同成分があることが分かり、出身地が判明したのだという▼元々は治水技術に役立てるために採集した水が偶然、新たな視点を加えたことで別の宝となった、との逸話も面白かった。考古学における民族移動の謎を解き明かす、ツールになり得るか。抄子の骨には鮫川の成分があるのかと思うと感慨深く、郷土への思いも強まる。