平成23年7月、東日本大震災発生から4カ月後に開催された第93回夏の高校野球福島大会で快進撃を遂げたのは、初の準決勝進出を果たしたいわき光洋だった▼前年には過去最高の4回戦に進出。世情が混沌とする中、就任1年目の理論派郷家邦博監督のもと、学童野球や選抜チームのいわき松風クラブ、硬式野球のボーイズなどから集まった才能あふれる選手たちの努力が結実した▼大津波で被災した遠藤将大を投打の柱に、福島商、学法石川、東日大昌平を撃破。準決勝で『消える魔球』スプリットを駆使する歳内宏明擁する聖光学院に敗れたが、私立勢に伍して公立校が勝ち上がる成功例だった▼今秋の県大会4強で唯一の公立校だったいわき光洋にも、全国大会8強入りしたいわき松風からバッテリーはじめ主力メンバーの多くが入部した。さて中学野球部選抜チーム「IWAKI選抜」の3年生はどんな進路を取るのか。その行方がプロ野球ドラフト以上に気になる。