残暑が終わったと思ったら、秋を感じる間もなく冬の装いが一気に進んだ日本列島▼これからの日本の季節は四季ではなく、夏と冬の二季化を懸念する声が聞かれる。気候変動は日本ばかりではなく、世界中で起きている。欧米では酷暑や台風と言った大規模な自然災害が相次ぎ、日本でも地震、豪雨、竜巻が次々と発生、各地に甚大な被害をもたらしている▼東日本大震災から14年経った今も、相双地方では住民の帰還は進んでいない。理由として除染やインフラ整備の遅れ、戻っても働く場がないといった問題がある。他にも、根強い風評被害、処理水、除染土への対応、加えて廃炉作業工程は今だ不透明。課題山積の中、帰還するにはまだ道半ばの状態▼高市首相は所信声明の中で、これまでの首相と同じく「福島の復興なくしては―」を繰り返すが、言葉とは裏腹に記憶の風化は著しく、復興スピードは鈍い。今後も福島の復興お忘れなく。昨日11日は震災の月命日。