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震災15年 プロサーファー・前田淳さん 海を愛して…岩間でスクールと店舗営む

 かつての海のにぎわいを取り戻したい――と、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩間町でサーフィンの普及活動に取り組む男性がいる。「CAN DO(キャン ドゥ)サーフィンスクール&サーフショップ」を営むプロサーファーの前田淳さん(47)。
 双葉郡浪江町生まれで、震災時は事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所で作業員として働いていた。県外避難も経験する中、想起したのは、多くの犠牲者、避難者が出た浜通りの窮状とともに、全国的にも恵まれたビーチ。
 自分を育ててくれた古里の海の魅力と、安全に楽しむ術を伝えることが復興の一助になる、と新天地で奮闘している。
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 店名には「やればできる」との思いを込めた。震災前は住宅街が広がっていた海沿いの岩下地区。今はまだ更地が残る一角に、コンテナを活用した店がある。オープンは2021(令和3)年9月。コロナ禍で県内の客に限定した門出だったが、これまでに延べ千人以上がスクールで波乗りを楽しんでいる。
 環境省の快水浴場百選にも選ばれた双葉海水浴場では長年、ライフセーバーとしても活動した。
 海水浴場の営業時間外に遊泳する人が後を絶たず、おぼれる人がいたり、過去には死亡事故も発生していた。長年の懸念だったことから、時間外はサーファーが使う文化を定着させようと、日本サーフィン連盟の公認指導員の資格を取得。後進を育てようと、11年夏に向けて準備を進めていたところ、震災が発生した。
 あの時、東京電力の協力会社の社員として原発内のタービン建屋で点検作業中だった。震度6強の今までに経験したことのない横揺れが長く続き、「津波が来る」と直感。仕事は中止となり、敷地外へ避難した。
 震災発生の翌日早朝、原発近くに住む住民に避難が呼びかけられた。着の身着のままで避難したが、初めて家に戻れたのは、一時立ち入りを許可された半年後だった。
 県内外を転々とする中、思い浮かぶのは地元の恵まれた海だった。常に安定して波数が豊富な浜通りのビーチ。「もっとサーフィンがうまくなりたい」一心でこの頃、救助員や潜水士、ISA国際サーフィン連盟の公認サーフコーチなど、海関係の資格を取得した。
 海に関する知識や技術を地元の復興のために還元したい、との思いが募り、店をオープン。「みんなで注意すれば海での死亡率はぐっと下がるはず」。一年中、日焼けした前田さんが担いたい理想は海の交番。多くの犠牲者が出てしまった古里の海に、再び多くの人が戻ってくることを願っている。
 (写真:サーフィンの普及活動に取り組む前田さん)

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