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片隅抄

2012.01.06

不定期だが、書家の知人から年賀状が届く。細字ながら、流麗なプロの書体を目にすると返事を出すにも恐れ入った。昨年は「瑤光動」と大きめの文字がしたためられていた▼だが、今年は届かない。ひんぱんに連絡を取り合う仲ではないが、沿岸部にあった知人の家は先の大震災による津波被害に見舞われたと聞いた。本人、家族は幸い無事だったものの家財、書道具などが水につかり、流出したという▼年も改まり、今年も第2回「市小中学生書き初め大会」が7日、勿来の関公園内の吹風殿で開かれる。市公園緑地観光公社主催で本社が共催する「書」のイベントだ。昨年は初回にもかかわらず、多数の児童・生徒さんが参加した▼取材で立ち会ったが、寒気の中に身を置きながら神経を集中させ、作品を書き上げる姿に感心したものだ。真剣勝負だが、気負うことはない。知人は書家として独立したころ、「楽書」という言葉を好んで使っていたことを思い出した。

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