「交ぜ書き」。広辞苑には「漢字と仮名とをまぜて書き記すこと。現代では特に、本来漢字で表記する語の一部を仮名で書く」などとある▼先日、夕方のニュースで交ぜ書きについて特集していた。驚いたのは小学生が自分の名前も交ぜ書きで書いていたこと。文部科学省の学習指導要領で、漢字を習う学年が決まっているため、習っていない漢字については、名前であってもかな書きにさせるという▼確かに新聞でも、交ぜ書きを使うことも多い。中学2年生が無理なく読めるようにと、難しい漢字にはかっこ内に読み仮名をつけたり、本欄ではルビをつけるなどしているが「招へい」「けん制」「忌たん」など、交ぜ書きになることもある▼子どものころ、分からない漢字が読めるようになったり、漢字で自分の名前が書けるようになったときのうれしさを覚えている。習う漢字が学年ごとに決まっているとはいえ、せめて名前ぐらいは漢字で書いてもいいと思うのだが。
片隅抄