衆議院の解散総選挙がささやかれる中、いわき市では今月9日投開票で市議選が行われる▼今回から定数が削減され、41人が37の議席を争う少数激戦型。中でも、4人の現職が引退し代わって新人10人が立候補するという。顔ぶれだけを見れば新鮮味は感じる。ただ、主張を聞くとほとんどの候補者が、被災地支援や農林水産業などの復興を掲げている▼東日本大震災、原発事故後初の地方選挙だけに、ある程度復旧、復興がテーマになるのは分かるが、○○しますばかりが目に付き、その具体策がよく見えてこない。先の衆院選で政権交代を果たした民主党だが、選挙前に掲げた約束は、いつの間にかほごにされた。この現実があるだけに、約束を素直に信じることができない▼こうなると心配なのが、投票率。いずれにしても市議選は、市民生活に直結する課題や問題を解決する議員を選ぶ選挙。自分たちの生活が良くなることを信じて参政権を行使してほしい。
片隅抄