近年にない大小政党が入り乱れての衆院選は、与党民主党の大敗に終わった。民主党は改選前の議席を大幅に減らす惨敗。躍進した自民、公明を含め、早くも新たな連立の動きが始まった▼ただ、数の論理を優先し、主義主張には目をつぶり安易な連立を組むようでは、さらなる政治不信を生むばかり。国民が次の政権に期待するのは、国民の生活を第一に考えた政治。その時に指針となるのが、選挙前に掲げた各党のマニフェスト。有権者はそれを見て1票を投じたのだから。それが「やっぱりだめだった」では、何のための約束なのか分からない▼被災地に限れば、被災者は一日でも早い生活の再建を望んでいるが、復興への道のりはあまりにも遅く、避難生活も長期化している。反原発もいいが、まずは福島原発解決の道筋だけでもきちっと示してほしいものだ▼後になって今回のマニフェストも、聞こえの良い文言羅列だったのか、と言われないように願いたい。