成人式がまだ「1月15日」に行われていた当時、平市民会館で行われた式典に出席したことがある。20歳には達していたが「成人」という意識も特になく、クラス会の感覚だった▼式終了後、高校時代の友人らと担任の家を訪ね、そのあと繁華街に繰り出し、酒を飲んだ。1月の夜の寒さは、昔も今も変わらない。冷たい風の吹く中、コートも着ずに遊び歩いた結果、翌朝から熱を出し3日間寝込んだ▼毎年、管轄地区の成人式を取材するたび、思い出しては苦笑いする。さて南部では高台に位置する施設で式が行われていたが、先の震災で被災したため、昨年から会場が他地区に移っている▼前回、ややコンパクトな空間には、新成人と主催者、来賓などが所狭しと顔をそろえた。スペース余裕がない分、微妙な緊張感が醸し出され、式はスムーズに進行、雰囲気を乱す行為もなかった。短時間、高揚した気分をいかに抑制できるか。難しいことではない。