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片隅抄

2013.02.25

震災から丸2年を迎えようとしている。なかなか春めいてこない寒さにも、ガスも電気もなかった当時のつらさが重なり「2度とあんな思いはしたくない」という言葉がつい口に出る▼しかし、その一方で「地震慣れ」してしまった人々が増えている感もいなめない。今なお何日かおきには、震度3クラスの地震が起きている。それ自体が本来、災害発生が懸念される状態であるにもかかわらず、「このくらいなら」といった気持ちがないだろうか▼あの津波が来た時、沿岸地域の人々の中には、「津波はここまでは来ないだろう」と退避せず、難に遭った例もあると聞く。そして今「余震はあるものだから」「本震以上にはならないから」と、どこかで高をくくってはいないか▼被災地いわきの私たちは、決して災害を忘れてはいない。ただ、それを乗り越えたことで逆に怖さに対する免疫ができてしまっているのかもしれない。あらためて今、地震の怖さを肝に銘じたい。

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