あの手、この手を使いながら、巧みに現金をだまし取る「振り込め詐欺」。還付金や債務の一本化など、手を替え、品を替え、さまざまな手口による被害が後を絶たない▼今月に入り、いわき市内では、警察官を名乗った不審電話が相次いでいる。県警によると、市内では2日に11件、17日に20件の不審電話があった。2日には、警察官や銀行協会職員を名乗った不審電話があり、1人暮らしの女性が現金460万円をだまし取られた▼5年ほど前になるだろうか。今回のケースとは違っているが、わが家にも不審電話があった。「会社の金を使い込んだので、現金を振り込んでほしい」という内容。泣きながら電話をかけてきて、追い込まれた様子を見せる〝名演技ぶり〟だった▼どんな電話がかかってきたとしても、今すぐに現金を振り込んだり、口座を凍結しなければならないほどの急な用件ではないはず。一度冷静に考え、誰かに相談してからでも遅くはないと思う。
片隅抄