補欠、控え選手、リザーブ。チームには、試合に出られない多くの選手たちがいる▼レギュラーでなくとも登録メンバーに選ばれていればまだいい方で、それ以外の選手たちは応援席の一角で声を枯らし、踊りのパフォーマンスを見せてチームメートを鼓舞するのである▼ある監督さんからこんな話を聞いた。「彼らは生徒なんですね。教室は知力を学ぶ場、部活動は人間力を高める場なんです」。試合に出てナンボ……のプロではない。苦しい練習に耐え、試合に出られなくとも陰でチームの勝利に貢献する。10代の今はヒーローになれなくても、社会に出てからきっと部活動で培った人間力が生かせるときが来る。監督はそう言うのだった▼日ごろから補欠選手が高い意識で練習し、応援する。その姿を見ればレギュラー選手だって体を張って勝ちにいかざるを得ない。「チームが勝つために自分は何ができるか」。そう考えることが人間力の向上につながるのだと思う。