いわき市には「ポイ捨て防止条例」がある。自宅近くのコンビニ前の通りでは時折、ポイ捨てされたと見られる商品のパッケージやポリ袋などを目にする▼条例には「誰もポイ捨てをしてはいけないことが定められています」とあるが、全市民がその意識を持つことはきっと無理だろう。もし罰金などを科し「ポイ捨て」をする人がいなくなったとしてもだ▼なぜ、こんな悲観的なことを言うのかといえば―。市内のスーパーの入り口で見つけた1枚の張り紙。内容は「家庭からの持ち込みごみが多いので、ごみ箱は撤去致しました」。確かに少し前までは、そこにごみ箱があった。それがこんなことでなくなるとは…▼年2回のいわきのまちをきれいにする市民総ぐるみ運動がすっかり定着し、いわき市民の美化思想は決して低くはないと思っていたのだが、残念な思いになった。社会は「自分だけ」「わが家だけ」でない。その行為も「誰か」がきっと見ていると思うべし。