沖縄の米軍普天間基地移設問題などで迷走を続け、9カ月の短命内閣で終わった鳩山首相。代わって登場したのが菅首相だが、越えなければいけないハードルは高い▼その沖縄で65年前、日米の戦いがあったことを知っているだろうか。昭和20年の4月、18万余の兵力で沖縄攻略に打って出た米軍に対し、日本軍は正規兵、地元徴用の民間人合わせて約10万人。兵力や火力で劣る日本軍の犠牲者は日に日に増えていった▼従軍看護婦「ひめゆり部隊」の活躍は、沖縄戦悲劇の象徴として戦後、映画やテレビ化され、多くの日本人の涙を誘った。沖縄県全土が戦場とかした沖縄戦が終了したのが3カ月後の6月23日。その後、沖縄は米軍の占領を受け、沖縄県復活は同47年まで待たなければならなかった▼菅首相は市民運動から政治家を志したと聞く。日本の安全保障も大事だが、沖縄県民の心情も察した上で基地問題に取り組んでもらいたい。今日23日は「沖縄慰霊の日」。